萬斎Hamletを観に行こう、と思ったのだ。
02/Sep/2003〜07/Sep/2003

2003年6月11日・・・すべての出会いはこの日から

野村萬斎タイトルロール「Hamlet」を世田谷パブリックシアターで観た。
りんとした姿勢。その印象深い声。美しい手の表情。
観ますとも。ええ、何度だって観ますとも。
微妙に言い訳がましいけど、今回は他にも好きな役者が満漢全席なのだ。
いつになくクジ運が良く、ホリプロの先行と、ぴあの先行両方が当たったのでほくほく。
で、この日はホリプロの先行分。C列19番。さすがホリプロ、いい席握ってます。

もう、衝撃的。なにがって、まずは美術と照明。
ペイントボックスの華麗で緻密かつ濃厚な劇空間。
黒服のアンサンブル。照明の表現力。とにかく圧倒される。
さらにホレイシオ、と言えば私のなかではやはり松重豊さんの印象が強いのな。
しかししかし、今回のホレイシオの横田栄司さん、いいじゃない!正直惚れた!!
壌さんのポローニアスは日本語のリズムがよく・・・・・
 

ロンドン公演?うーん、行きたい。行きたいぞ。

 ロンドンで製作されたこのペイントボックスは、ロンドンの空気のなかで堪能したい!
休み、休み、休みはとれるのか?自分。

なんか取れそうな気がしてきた!

 そもそも、今年の2月に野田秀樹「赤鬼」ロンドン公演を泣く泣く逃しているので気持ちは一気にロンドンへ。
 待て待て、しかし7月はじめには愛して止まない国、SINGAPOREに行く訳で。

先立つものはあるのか?(やや不安
 「ハムレットロンドン公演観劇ツアー」なるもののパンフを発見。
さすがJTBさん。強気の30万超。しかしこれは馬鹿馬鹿しい。
添乗員不要。チケットは自分で手配すればいいし、仮にツアーでも格安で十分。
さりげなく各方面にツアーメイトを募集するもいまひとつ賛同を得られず敢え無く撃沈。
   
一人旅決定。

 
どうしてもはずせない仕事があったりで、日程は9月2日〜7日の4泊6日。Hamletは前楽の5日に計画。

 で、ロンドンって何があるのよ?やっぱりウェストエンドでミュージカル観たい。
大英博物館とビッグベンと、ええとええと、バッキンガム宮殿と・・・ああ、ハリーポッターか。
ごはんがまずいのは本当なのだろうか??
ツアーと個人手配ではどっちがいいのだろう??
手始めにパンフ集めだな。
と、いう訳であれこれと調査開始。

 ロンドン公演の会場、
サドラーズ・ウェルズ劇場のサイトをちょくちょくのぞくも、Hamlet情報はupされていない。
7月2日 Hamlet2回目
 2回目の鑑賞。ぴあ先行分。G列31番。やや舞台が見切れるが問題なし。
2回目だけに多少気持ちにも余裕が生まれるので、結構辛い点もつけてしまう。
特に萬斎氏の日本語がうまくリズムに乗っていない。
もどかしい。ただひたすら大仰なだけで、こころの叫びが届かない。
役者も含めて他の要素が心に迫るだけに、惜しい。「絶叫」という所作が狂言にはないせいなのか?
知性的で気高く、決して内省的なばかりではない印象は私のハムレット像にかなり近いのだけれども。
  
7月6日
 !!!チケット情報がUPされている!!!
 「サドラーズ・ウェルズ劇場」のサイトからチケットをオンライン予約。予定通り9月5日、stallのC列19番。
エアもホテルも検討中でこれからだけど、なんだか一安心。をいをい。

 ロンドンへの思いは変わりなく熱いが、目の前のシンガポールも大事ということで一旦気持ちを切り替える。
 ・・・さて今度は何食べてこようかなあ。天天の海南鶏飯、板麺にラクサ・・・・


 
  
2003/7/8〜11  

 帰国後、本格的に手配開始。

 しかしシンガポールでめためたに骨抜きになったせいか、なかなか手配が進まない。

 一発気合いを入れる意味も込めて(?)、ヤフオクで「Hamlet」23日マチネのチケットをゲット。
プレミアってほどの金額ではなく、難なく落札。

とにかくエアの手配
 SQのマイルを振り替えて、ANAの無料航空券を狙うも、積算マイルは今一歩ロンドンには到達せず断念。
 送迎無し・完全フリーのツアー、一人参加代金込み、直行便利用でだいたい18万前後のものが見つかるが、
やはりホテルランクに納得できない。調べれば、調べるほどホテル選びの重要度を実感。
さらにロンドンのホテルはとにかく高いことに驚愕する。しかもスペックと値段とが折り合ってなかったりして。 

 せっかくの長距離フライト。若干割高になる可能性もあるものの、快適な滞在とマイル加算分の経済効果を含んで、
航空券とホテルを個人手配することに決める。ANAはシンガポール航空へのマイル加算が70%。
どうせなら搭乗したことのないヴァージン・アトランティック航空(以下VS)に絞って検討開始。

 格安航空券といえばHIS。しかしカード決済できないのでパス。
 JTB格安航空券も、サービスは充実しているものの、その分お高く、納得価格ではない。

 VSのPEXも調べてみるが、2万位差がでてしまう。万が一の時にPEXだと何かと心強いけど。
イサイズのABROAD.netでピックアップした数社に問い合わせてみることに。

7月15日
 
SQに電話して、マイル加算可能な予約クラスを確認。格安航空券のLクラスは100%加算。 
     ★後日談 結局事後登録をすっかり忘れてマイルは水の泡となりましたとさ。あああああ。


7月16日 エア手配
 検討した数社のなかから、結局「e-tour」で航空券を手配。クレジットカードで支払いが出来て、今のところVSの最安値。
問い合わせのレスポンスも早く、丁寧。NRT-LHRで週末加算込で147800円也。
おお〜本当に行くのか!まじか自分!と、今更ながら驚く。
 芝居遠征で最も遠かったのは大阪の南河内万歳一座の「青木さんちの奥さん」だ。一足飛びにロンドンか・・・。
 無事カード決済にてエアの支払い終了。あとはホテルと、ハムレット以外の芝居・ミュージカルは何を観るか。まだまだ調査は続く。

 やはりロンドン・ウェストエンドといえば「オペラ座の怪人」ははずせない。これと「Hamlet」の他に是非もう一本位観たい。
ロンドンでしか観られないといえば、「We Will Rock You」 クイーン、捨てがたい!さてさてどうしたものか。

7月19日 Phantom of The Opera
 UK版チケットマスターで「Phantom of The Opera」のチケットを予約。
 これは自宅まで郵送の手配をしてみた。チケットが届くのがちょっと楽しみ。Stall・H-25なのでまあまあな席かと。
ドレスサークルはチケットマスターでは完売。シャンデリアのシーンはストールよりサークルのほうが見応えありそうだったので残念。
さすが噂に違わぬ人気興行ですな。
 四季の「オペラ座の怪人」を観たのはいつだったか。もう10年位前になるんだろうか。
あの頃は割と熱心に四季を観ていた頃だな。ははは。
 そういえば花組芝居の「歌舞伎座の怪人」も面白かった。篠井英介さんも花組所属の頃。

 ホテルはいくつかのホテルレップで比較検討。立地と価格、あちこちのサイトからひろった体験談を基に
STRANDPALACEとSt.gilesのふたつに絞る。ホテルのプロモーションがないかもチェック。

7月22日
 今日はサンシャイン劇場で「シンベリン」を観る。子供のためのシェイクスピアシリーズも毎夏のお楽しみだ。
もう10年以上欠かさず観てることになるのか・・・。あたたかく、素敵な舞台に満足満足。
カーテンコールで「ブラボー!!」&スタオベしていたのはこのカンパニーに縁の深い吉田クローディアス王と植本劇中妃。
「シンベリン」が楽日の今日は確かに「Hamlet」は休演日でした。

7月23日
 
「Hamlet」マチネ公演。席はE列16。
もう、最高のシート。自然に舞台全体が見渡せ、かつ表情ひとつひとつを見逃さない距離。
 今日は台詞が言葉になって、すっと身体にはいってくるような感覚。「ことば」「にほんご」に陶酔。
 ハムレット王子に迷いがない。いや、勿論劇中では迷い、苦しむのだけれども、ことばがまっすぐ出てきている印象。
軽やかで、シャープ。何かを無理に吐き出すような芝居ではなく、とても素直。
萬斎師、東京公演終盤にして何かをつかんだのか。
 相変わらず潤さんはあでやかで麗しい。
横田ホレーシオは益々精悍さを増して、正確な演技が映える。ああ、なんて素敵なんだ!
ロズ・ギルもそれぞれの個性がより濃く出ているように感じた。これは演出なんだろうけど。
 こう思えるのは見者としても3回目でそれなりに成長しているせいかも。何にしてもいい舞台と縁あってしあわせだ・・・。
 

 ロンドン公演にむけて期待が高まる。そうそう、私はこの芝居を観にロンドンに行くんだった。と初心に返る。
ロンドン滞在中に一回しか観ないのもさみしいはなしだなあ。
東京公演に比べてチケット代もはるかにお安いし。(一番高くて£30!約6000円)うーんうーん。

7月24日 アコモ決定  
  HotelClub.netからSt.gilesを手配。
このサイトはなかなか優秀。もともとオーストラリアの会社みたい。なんと日本語にも対応。
ここも含めてアップルワールド、旅ぽん、アジアトラベル等はSTRANDPALACEは似たり寄ったりの価格設定。
しかし、St.gilesについてはここがダントツで最安値。
朝食付シングルルームが税込み£52。4泊で£208、£1=¥196として40768円也。
 
エアチケット・諸税とあわせて約19万。なんとか予算内に納まる。
 ホテルはトッテナムコートロード駅至近。バスの便もとてもよく、オックスフォードストリートでのお買い物も徒歩でOK。
ルームセーフ完備でバフェの朝食付。(ホテルサイトからの予約では朝食付設定はなく、朝食はなんと£9!)
 そして何より「We Will Rock You」上演中のドミニオン劇場のすぐ隣、また「Hamlet」のサドラーズ・ウェルズ劇場までは
19番か32番のバスで乗りかえ無し、という立地が決めてとなる。これで、ロンドン到着当夜に「We Will Rock You」を観ることができれば、もう一回何か舞台が観ることができる、という算段。

7月28日
「オペラ座の怪人」のチケットがロイヤルメールで届く。

7月29日 旅行会社が?!
 
ロンドン行きのエアの手配をしているe-tourからのメール。
「7月31日よりイーツアー(株)はサイト運営会社となり、旅行業務は(株)トラベルサイトが行う事になりました。」
     ???????!
 一旦予約の取り消し、同条件にて再手配で計画変更等は一切無し、だそうだが、なぬ〜?!
経緯の説明が一切なく、心配と同時に不信感で一杯。

7月31日 お粗末な話
 旅行会社の件は、業法上の切り替え関係で、数週間無許可状態になることによる対応で云々・・・
という経緯の詳細がメールが来る。そうならそうと最初のメールで説明してよね・・・かなりお粗末。


 現地での足は基本的には地下鉄とバス。しかし9時前から行動開始したいので、現地でオフタイムのトラベルカードを買うのは時間の無駄と判断。ではどうやって効率的に移動しようか?
 一日目は夕方に到着なので、基本的には徒歩圏内で行動する予定。仮に地下鉄の乗ってもZONE1内で一往復程度。
最終日の5日目は13時の飛行機なので、観光の予定はなし。そうなると3日間有効のパスが理想的なのだ。
 「LondonPass」は私の計画には不必要な要素ばかり。絶対もとがとれない。
 「London Visitor Travelcard」は朝イチから使えて、割引クーポンもついている。写真も不要。
3日間用のパスがあるのも今回の計画にぴったり。

 ヒースローから市内への移動方法は色々あって、地下鉄やホテルリンクのバスも検討する。しかし今回は、
到着当夜に「We Will Rock You」を観る、という野望があるのでとにかく早くホテルにチェックインしたい。
ちょっと割高だけど、ヒースロー〜パディントン駅を15分で結ぶ
Heathrow Expressを利用予定。

8月20日 London Visitor Travelcard
 「London Visitor Travelcard」を渋谷のMAXVISTAで購入。ZONE1&2、3日間分で2700円也。
引き替え券の発券ではなく、パス実券を即発行してもらえた。
 しかしこの会社、渋谷の雑居ビルの中で、しかも狭くて雑然としたフロア。知らなきゃ絶対立ち寄らないよ。
とはいっても、レールパスやパリのアパルトマン滞在なんかは資料が山ほどあって、スタッフも知識豊富な感じ。なるほどねえ。
 
 Heathrow Expressの往復チケットもネットで予約完了。ネット予約は10%offで、しかもUKからの送料込みの£22.5。お得!
 この時点で1£=約200円。じわじわとポンドが下がっているので、ちょっとこのまま様子見。
190円台になったら両替しようと思う。

8月25日 Heathrow Express
 Webに明記してあった通り、5日目きっかりHeathrow Expressの往復チケットがロイヤルメールで届いた。
旅行会社から当日の航空券の受け渡しカウンターのお知らせのメールも届く。
これで足の確保は完璧。いよいよ来週はロンドンでハムレット。

左:「London Visitor Travelcard」についてくる割引クーポン
   セントポール寺院・ロンドン水族館・ロンドン動物園等の入場割引や
   バーガーキング等の飲食店のディスカウントもあり。

右下:「London Visitor Travelcard」

右上:Heathrow Expressの往復チケット
 
 

8月26日 Hamletロンドン公演/2回目のチケット
 ここひと月、現地情報の収集ばかりで、完全に観光旅行モードに入っていたが、この旅はあくまでも「Hamlet詣」なのだということにふと気付く。
「・・・・・滞在中一回しか観ないのはいかんのではないか!」
という訳で、殆ど衝動的に9/4のチケットもオンライン予約する。stallのG18。

8月27日 電子辞書購入
 楽天で購入したEX-wordが届く。前から電子辞書欲しいな〜と考えていたのだが、なかなか買うきっかけがなくのびのびになっていた。新型のXD-R970はコンパクトサイズで、持ち歩くのにぴったり。デザインもすっきりしていてよろしい。ここ数年愛用している「ひとりあるき」シリーズの会話集も収録されていて便利。なにしろ旅先では必ず「辞書・会話集・地図類」を持って歩くので、かなりのダウンサイジングに成功。・・・でも、こいつ、電池切れや水濡れを気にしなきゃなんない。


8月28日 両替
 £の底は終わったと見るべきか・・・195円からしわじわと上がり始めた。今日は196円台に。
いそいそと定時であがって渋谷のワールドカレンシーショップに両替に行く。とりあえず3万円。

8月30日 成田エクスプレス
 成田エクスプレスのチケットを購入。3号が満席で、一本前の1号になる。平日なのに、満席とは驚き。
1月にシンガポールに行ったときも1号だったけど、あのときは外は真っ暗で寒くてきびしかったな〜。
渋谷から乗車できるのが便利なのでちょっと早起きもがまんがまん。


9月1日 出発前夜
 明日からはついにロンドン。毎度のことながら前夜のパッキン。私の場合日常生活をそのまま持って行くので、自然と前日の荷詰めになってしまう。前日までに成田に荷物を宅配して自分は京成かなんかでのんびり行けば楽なのかもしれないが、実際はそんなの無理な話。
結局なにか入れ忘れそうだし。
 パンフ類をきれいに持ち帰るために、100円ショップで書類整理用のクリアケースを購入。こりゃ我ながらいいアイディアだと自画自賛。
しかしカバン選びに悩む。仮レイアウトして検討した結果、大きいスーツケースに決める。寝たのは2時前。