曇天の朝。
サンミッシェル大聖堂からグランプラス方面を見る。
夜半に一度、激しい雨音で目が覚める。 6時起床。残念ながら今朝は小雨模様。昨日までの夏の様な暑さから一変して、寒い。窓をのぞくとみんな厚手のジャケットや、コートを羽織っての出勤姿。 朝食のダイニングにはびしっとしたスーツ姿が目立つ。今日はブリュッセル街歩き。雨、止まないかなあ。 雨は9時前にぽつぽつと止みはじめたので、折りたたみ傘を持って出発。上着なしではとにかく寒い。 王立モネ劇場を眺めてから、ブリュッセル中央駅に近いサンミッシェル大聖堂へ。前国王が結婚式を挙げた由緒正しい教会だそうで。内部はゴシック様式。ステンドグラスと蜀台のデザインが印象的。 メトロの一日券を購入。自動券売機の言語も蘭・仏・独・英の言語が選択できる。3.7ユーロでメトロ・プレメトロ・トラム・バスと共通。検札器でがしゃん、と刻印してホームに下りる。ちなみに一日券は乗る度に刻印する必要あり。全体に行き先表示もわかりやすく、利用しやすい。
さて、目指すはEU本部。教科書で何度も目にした、誰でも知っているあの建物。 かつてはローマ帝国をはじめとする周辺の大国の侵攻と支配に甘んじ、その度に公用語を変えなければならなかったという歴史を持つ小国ベルギー。やっと勝ち取った、ちいさな国土。ぎざぎざでいびつな国境線と、今も残る南北を分けた言語境界線はこの国にとって特別な意味を持っているはず。 しかし今や、EUやNATOの本部が集中し、政治的・経済的にヨーロッパの中心として、「国境を超えた」ヨーロッパ統合のシンボルとなったことは、ある種皮肉な感じ。 |
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王立モネ劇場 | サンミッシェル大聖堂 | 内部は非常に装飾的 |
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メトロの入り口。(プレメトロも同じマーク) | 自動券売機 | 検札器 |
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ホームはこんな感じ。行き先表示もわかりやすい。 | メトロの車内 | ポスト、可愛いです |
SCHUMAN駅でメトロを降りて、地上にあがると目の前にEU本部の建物。 サンカントネール公園の奥に凱旋門が見える。両翼の建物はそれぞれ軍事歴史博物館とオートワールド、サンカントネール博物館。 再びメトロに乗って、王宮へ。夏の間は一般公開されているらしい。 ロワイヤル広場は聖ヤコブ教会をはじめとする新古典主義の風格ある建物が並ぶ。シンメトリーに配置され、単純だけどパワフル。王立美術館の並びのノートルダム・デュ・サブロン教会を拝観。 非常に美しい教会。グランプラスの市庁舎と同じ、フランボワイヤン・ゴシックのデザインが華麗。内部のステンドグラスも見ごたえのある素晴らしいもの。 そもそも教会のステンドグラスは文字を読めない市民にも教義が理解できるように工夫された「巨大な聖書」であることがよくわかる。 |
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おお〜これこれ。 | サンカントネール公園 | 広い公園を抜けると凱旋門。 |
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王宮 | ノートルダム・デュ・サブロン教会 | 美しいステンドグラス |
おなかもすいてきたので、グランサブロン広場のヴィタメールでランチにする。カフェはケーキを売っている方のお店の2階。入り口も小さく目立たない。日替わりの定食(13ユーロ)はサーモン。お肉が続いていたので、ちょっとほっとする。気軽に入れる雰囲気も、軽快な味の料理も満足。 ランチの後は、ピエールマルコリーニでお土産用にチョコレートを購入。最高裁判所を眺めながらルイーズ広場に。高級ブランドがずらりと軒を並べている・・・けど、今回はお買い物目当てじゃないし、通りをさらっと歩いただけ。 ルイーズ広場からトラムに乗って、オルタ邸に向かう。これ、今回の旅でとても楽しみにしていました。 アールヌーヴォー誕生の地はベルギー。ブリュッセルには、アールヌーヴォーでデザインされた建物が数多く、その中でもヴィクトール・オルタの自邸が、美術館として公開されている。当時、オルタがこの新しいデザインをパトロンにプレゼンテーションするためのサロンとしての役割も果たしていたそうな。 外観は、ベランダの曲線が印象的。でも案外とシンプルでフツー・・・街並みにひっそりと建つ感じ。 が、しかし、しかし。一歩中にはいると、そこは心をこめて施された装飾の数々。勿論クロスはウィリアム・モリスのオリジナルあり。暖房器具や配線に至るまで徹底してデザインされている。装飾過多でお腹一杯になるかと思いきや、生活にしっとりと馴染んだデザインが心地よい。家族への愛やいたわりさえも感じ取ることができる、素晴らしいインテリア。特にオルタ夫人のための部屋と温室に感じ入る。 |
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Wittamer Cafe 本日のランチ | Wittamer Cafe店内 | は? |
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最高裁判所 壮大です。 | オルタ邸(内部は撮影禁止・手荷物も制限あり) | 印象的なベランダ |
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ルイーズ広場のトラム乗り場 | プレ・メトロ(トラムが地下を走る)の駅 | 当然メトロよりホームも低く、長さも短い |
トラム、プレ・メトロと乗り継いでブリュッセル南駅で降りる。明朝チェックアウト後にアントワープに行くための電車の時刻を調べ、コインロッカーの位置を確認。 プレメトロでホテルの最寄りのBEURS駅で下車。部屋に荷物を置いてからスーパーマーケットに出かける。職場バラマキ用のチョコやお菓子類、ビール、常温保存OKのチーズなどなどを購入。さすがにチョコの棚の充実度は半端じゃない。安いし。 今日は昼間はちょっとだけ節制してビール抜きだった(ランチはペリエでお茶を濁す)ので、部屋に戻って早速買ってきた「シメイ ブルー」で一息いれる。ん〜深い味わいで美味しい。 ・・・という節制の結果、その反動でこの後のビール摂取量が急激に増えるのであった・・・・うーむ。 さて、ばんごはんの前に、どうしても行っておきたかったビアカフェ「Falstaff」に立ち寄る。かの太鼓腹の騎士の名前を冠したこのビアカフェも華麗なアールヌーボーの内装で有名。証券取引所の脇で、ホテルの自分の部屋からも見える。 ここでは、大好きな「Hoegaarden Witbire」を、ついにLサイズのグラスでオーダー。4ユーロでピーナツ付き。かなり良心的。しかしでっかいグラスだ・・・片手で持つのもおぼつかない。 ベルギー最後の夕食は「Carbonnades Flamandes」(牛肉のビール煮)と決めていた。グランプラスのケルデルクをのぞいてみると、昨日よりも時間が遅いせいで店内満員。それでは、とこれまた有名店の「マネケン」に入る。 ビールは「シメイ」のホワイト。カルボナード・フラマンドはプラムで甘酸っぱさが強調された味。付け合せのフリットもかりかりで香ばしく、いいアクセントになってる。店内は暖炉に火が入り、カジュアルで、スタッフもフレンドリー。ひとりでもリラックスして食事が楽しめる店。 |
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Falstaff 外観は普通のビアカフェ | 店内は落ち着いた雰囲気 | でかグラスで飲むHoegaarden Witbire |
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MANNEKEN | CHIMAY | 店内の様子 |
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Carbonnades Flamandes | 付け合せの定番フリット | 夕暮れ近いグランプラス |
グランプラスのライトアップのショーまで時間があるので、一旦ホテルの戻ってのんびり。 22時過ぎのショーにあわせて再度お出かけ。日の落ちたグランプラスはライトアップされ、また違った魅力を放つ。観光客も相変わらず多く、にぎやかにぎやか。 肝心のショーは、そんなに面白い工夫があるわけでもなく、しばらく眺めれば十分。22時30分過ぎにはホテルに戻る。 明日はチェックアウト後、アントワープに行ってから、その足でタリスに乗って帰路に付く。まだ食べていないもの、飲んでないビールがありすぎて名残惜しい。お風呂上りにヒューガルデンの「禁断の果実」を飲む。 |
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夕闇に色っぽさを増す路地 | ライトアップされた市庁舎 | 観光客で賑わっています。 |
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なんとも美しい姿 | ショーは、まあ、そんなもん。 | グランプラス裏手のピタや地中海料理の店が並ぶ通り。 |