5/18(Tue)   

なぜか和食のあさごはん

 6時過ぎにすっきり目覚める。
 枕元の電話のメッセージランプがちかちか。フロントに電話すると、フライトは12時20分に決定、10時にバスを用意しますが、ご自由に空港に向かって頂いても結構です、とのこと。うーん、午前中にはフライトできないのか・・・でもブルージュにはなんとか当日中に着くだろうから。一泊目のホテルをキャンセルしなくても済みそう。
 CDGには17時過ぎに到着予定か・・・。こんなことならブリュッセルからスタートさせれば移動のロスが少なくてよかったかなあ。などと考える。

 なには無くともあさごはん。ハラが減ってはなんとやら、である。
 レストランに降りる。アイオープナーにグレープフルーツジュースをおかわり。その後はしっかり和食。納豆、なめたけおろしで美味しく大盛りごはんをわしわし頂く。(椎名誠風)
 成田の天候は小雨模様、その後曇り。しかし体も気持ちも絶好調。

 部屋で改めて身支度をして、9時前にチェックアウト。ちょっと早いけどシャトルバスで空港に向かう。
 エールフランスのカウンターで再度チェックイン。キャンセル、というか大幅なディレイで、機材も便名もそのままでフライトする。燃料系統は大丈夫なのか?!
  手配しなおしてもらったタリスはCDG空港駅19時18分発、ブリュッセル南駅20時36分着。ブルージュには22時頃たどり着けそう。とはいえほぼ一日損してしまう。帰国を一日遅らせることができればよいのだろうけど、普通のオトナはそうそう休みを延ばす訳にはいかないのであるよ。
 
 インターネットコーナーでベルギー国鉄のサイトにアクセス。ブルージュまでのICの時刻を調べる。まったく便利な世の中。
 
 出国前になんとなく立ち寄った本屋で、劇的な出会い。
  
光文社文庫・田村功著「ベルギービールという芸術」

ビールを楽しみにベルギーに行かれる方、必読・必携!
かの有名なマイケル・ジャクソン本をはじめ、ベルギービールの薀蓄本は旅行を前に
色々目にしましたが、これが最もベルギー・ビール初心者にもわかりやすく、
しかもコンパクトで旅のお供に最適。写真も豊富。
おすすめです。
 今度こそ「定刻」に無事離陸。
 機内はがらがらで、3席独占でらくちん。ちびの私は3席あれば十分のびのびと足を延ばして眠れるのだ。フルフラットシート気分。とはいえエコノミーでもパーソナルモニター付が標準になりつつある今日この頃、機材の古さにはちょっとだけがっかり。

 ちなみに、本来のAF夜便(スターウィング・フライト)は、素直にシベリア上空を飛んでしまうとCDG空港の使用開始時刻よりかなり早く着いてしまうので、成田の使用可能時間ぎりぎりに離陸して、今時逆周りをフライトして時間をかせぐのだった。
エールフランス機内
エコノミーでもシャンパン積んでます。なかなか美味しい。 ブルゴーニュ風ビーフシチュー・チキンとハーブのテリーヌ
ラズベリーケーキなどなど。
お食事にはチーズがついてきます。
ワインも赤白各2種類から選択可
シベリア上空 ギャレーでビールを貰って来ました。
なんとベルジャン・ピルスナーのステラ・アルトワ
ストックホルム上空
機内はがらがら。 サラダはともかく、さすがにテリーヌはそれなりに美味しい。 今度はクリームチーズ。
で、白ワイン飲んじゃいました。
  
 サービスは適度にほったらかし。これがうっとうしくなくて自分にとっては丁度よい感じ。サーブされる食事以外のドリンクや軽食(サンドイッチとカップ麺)は自分で勝手に取りに行くことになっている。で、ギャレーはちょっとした社交場。ジュースついであげたり、一緒にビール探したり。微笑ましいぞ。
  パリ・シャルル・ド・ゴール空港にはほぼ定刻の17時30分着。横になって本を読んだり、ぐっすり眠ったりの「超エコノミー級」のだらだらした快適フライト。お陰で時差も疲れもなしで元気いっぱい。
  あっさりした入国審査の後、荷物を受け取り、タリスに乗り換えるためにCDG空港駅へ。 

 
AF専用のタリス号カウンターで成田発券の搭乗券を乗車券に引き換えます CDG駅構内 タリス号乗車ホーム
のどかな牧草地帯。明るいけどこれで20時前。 一等車なので飲み物とスナックのサービスあり。 タリス号のチケット。

「タリス号」の料金は日本からのエールフランス航空運賃に含まれ、チケットも成田のチェックインで搭乗券として発券。
エールフランス専用コンパートメント(一等車・禁煙)がキープされ、大きな荷物もAF専用荷物室で預かってもらえる。
ブリュッセル南駅までノンストップで1時間15分。牧草地帯の広がるなか、疾走。

  タリスは延々と続くのどかで豊かな牧草地帯を走り抜ける。どこまでがフランスか、どこからベルギーか全然気づかない。パスポートコントロールもなし。さすがEU。
  夏の夜は長く、タリスがブリュッセル南駅到着したのは20時30分をまわっていたのに、ようやく日が傾く程度。
  ベルギー国鉄のチケット売り場でブルージュまでの乗車券を購入。チケットセンターのカウンターは、国内線・国際線で売り場が分かれている。一瞬戸惑うけど仏・蘭・独・英の各国語のカウンター案内のタッチパネル式のモニターがあるので問題なし。無事ブルージュまでの乗車券を購入。ちなみに窓口では英語でOK。一応片言のフランス語も頑張って頭に入れていたけど、空港・駅の窓口、ホテルのフロントは英語で十分事足ります。

 ブリュッセルで何か食べ物を仕入れてから乗り継ごう、と思っていたのに、やっぱりあせっていたのか何も買わずにブルージュ行きの電車に乗る。ホームも行き先と時刻の掲示があるのでとてもわかりやすい。但し表示は仏・蘭語。
 
ブリュッセル南駅構内。整っていてきれい。
この中がチケット売り場。 ホームはとにかく殺風景。
・・・ちょっと緊張します。

移動遊園地がおでむかえ
 
 ブルージュ駅着は22時をまわった頃。あたりはようやく夜になった感じ。ホテルは駅から歩いて15分位のはずだけど、明るくても時刻が時刻。疲れているし、全く初めての場所なのでタクシーに乗ることに。ホテルには5分とかからず到着。
 
 フライトキャンセルにはじまって、まるまる一日遅れのブルージュ。案外すっきりした気持ちでスタートしていても、目的地に着くまでは緊張してたり、それなりに心細かったり。すべての出来事は旅の醍醐味とはいえ、さすがにちょっとばっかり消耗気味でタクシーを降りた私を出迎えてくれたのは、なんとホテル正面のザンド広場の移動遊園地。

これには正直、涙が出ました。
ブルージュ駅
22時10分にやっと到着。さすがに疲れました。
タクシーを降りるとそこには移動遊園地が。 素敵な回転木馬に涙。
PORTINARIのロビー。
こじんまりとしてますが、センスよくまとまってます。
お部屋。シンプルかつ清潔。心が暖まるインテリア。 トラピストビールwestmalle tripel
フルーティで濃厚な味わい。
 
 フロントの呼び鈴を鳴らす。「おお〜待ってたよ〜マダム!」とチェックインしてくれたのは恰幅のよい素敵なおじさま。カードキーをもらってちいさなリフトに乗る。

 お部屋はザンド広場とは反対側の35号室。窓からは聖母教会と救世主大聖堂が正面にそびえる。ライトアップされ、凛とした美しい姿にまたまたじーん。ここまで来てよかったと心から思う。

 俄然元気いっぱいになって、荷物を置くのももどかしく、目の前の移動遊園地に。もうすぐ夜23時というのに、家族連れで大賑わい。ひととおり眺めたら、さすがにもうこの時間ではナイトショップを探して歩くのは無理なので、ホテルに戻ってシャワーを浴びて、ミニバーの中を物色。
 飲みたいと思っていたトラピスト・ビールWestmalle Tripelを発見。、ビールグラスもオリジナルじゃないし、お値段もちょっと高いけどがまんがまん。部屋の窓を開け放して、乾杯。
そして長い長い一日がようやく終わる。